はじめに
系統確立を「核」とした配合のメリットは、「各配合理論の成立が容易になる=爆発力アップ」です。 なので、血統構成から各配合理論の成立条件を考え、確立する価値のある系統か見極める事が重要になります。 また、系統確立について勘違いされている方がいるので、以下の事も理解しておいて下さい。 子系統(新系統)の確立のみでは、得られる効果は半分以下です。 「系統を確立する過程で親系統を増やし、子系統数の多い親系統から離脱させる」これで最大の効果が得られます。 要するに、やみくもに子系統だけ増やしても、配合で得られる効果は少ないという事です。 系統確立で系統を切れ目なく繋ぎ、親系統に昇格させていく事が重要なのです。 (例ナスルーラ系→プリンスリーギフト系→テスコボーイ系→サクラユタカオー系→サクラバクシンオー系=プリンスリーギフト系昇格)
子系統の確立条件
以下の3つの条件を同時に満たすと、年末に新たな子系統が確立します。 条件を満たす種牡馬が2頭以上いる場合は、馬齢の高い種牡馬が優先されます。
- 条件1
- 系統を確立する種牡馬が現役。
- 条件2
- 対象種牡馬の全世界の支配率が2%以上、もしくは所属地域で5%以上。
- 条件3
- 確立する新系統に属する種牡馬が、全世界で4頭以上。
系統に属する種牡馬が日本・欧州・米国の2ヶ国以上にいる場合は世界で2%、それ以外は所属地域で5%以上で確立させるのが基本となります。 また、米国・欧州は日本に比べ、種牡馬の全体頭数が少ないため、支配率を上げやすい事も覚えておきましょう。
例えば、00年にサンデーサイレンス系の国内支配率が5.1%の場合、全てのサンデーサイレンス系の種牡馬・繁殖牝馬・幼駒を米国に移動させると、サンデーサイレンス系の米国支配率は8.7%になります。
なので、海外牧場開設後は、海外の方が系統を確立させやすいと考えて下さい。 ただし、年数が進むと差は徐々に縮まってきます。
親系統への昇格条件
以下のA・B・Cの何れかを満たした状態で、D・Eの条件も満たしていると、親系統に昇格します。 子系統の確立と同時に昇格も可能です。 昇格の基本はB+D+Eと考えて下さい。
- 対象系統の支配率が全世界で10%以上、もしくは所属地域で12%以上。
- 対象系統が3代にわたり子系統を確立。
- 対象系統が2種類以上の子系統を確立。
- 親系統に昇格する系統が滅亡していない。
- 昇格に影響する系統が全て滅亡していない。
血統支配率
血統支配率の計算は以下の(A+B+C+D)÷4と考えて下さい。 繁殖牝馬の評価額を計算に入れてませんが、これで問題ないと思います。
- 【全種牡馬の種付け料の合計】÷【新系統に属する種牡馬の種付け料】
- 【全種牡馬数】÷【新系統に属する種牡馬数】
- 【全繁殖牝馬数】÷【新系統に属する繁殖牝馬数】
- 【全現役競走馬数】÷【新系統に属する全現役競走馬数】
既に確立している系統の支配率は、コースポで確認できます。 支配率が日本で5%、もしくは世界で2%に近い系統を探し、その系統の種牡馬頭数と種付け料の合計、繁殖牝馬頭数と評価額の合計を算出すれば、ある程度の目安になります。
年末にセーブして系統に属する種牡馬を増やし、「種付け料○○○万」で既存の系統の支配率が何%上がるかを、コースポで確認する方法もあります。
系統特性・能力因子
確立した新系統の系統特性は、以下の法則によって決まります。 繁殖後に能力因子が付く条件は「活性因子」を参考にして下さい。
- 父・母の系統がともにSP系統の場合は、必ずSP系統になる。
- 父・母の系統がともにST系統の場合は、必ずST系統になる。
- SP系統×ST系統の場合は、必ずSP・STどちらかの系統特性が付く。
- 父・母のどちらかがSP系統で、もう片方が特性なしの場合は、約50%の確率でSP系統になる。
- 父・母のどちらかがST系統で、もう片方が特性なしの場合は、約50%の確率でST系統になる。
ダンジグ系、ミスタープロスペクター系、ブラッシンググルーム系がSP系統のため、繁栄するのはSP系統です。 残念ながら、ST系統で繁栄する系統はありません。 系統特性のない系統を、次の世代でSP系統にできると効果的です。 そのためには、80年代でブラッシンググルーム(確立している場合のみ)、サーゲイロード(スペシャル種牡馬)、レイズアネイティヴを〆にして繁殖牝馬を生産しておくといいでしょう。 そして、その繁殖牝馬で系統の後継馬を生産し、後継馬の系統を確立すれば、約50%の確率でSP系統になります。 とくに、これといった後継馬がいないブライアンズタイム系、トニービン系、マルゼンスキー系などを次の世代でSP系統にできると、配合の幅が広がります。
系統確立と親系統昇格の効果
新系統の確立(子系統確立)で、プラス効果が得られる配合理論はA~Gです。 親系統への昇格で、プラス効果が得られる配合理論はB・Hです。 とくに確立・昇格の効果が大きいのは、B・C・Hです。
- ニックス
- 母父○(まる)(能力因子が付く場合)
- 活力源化因子
- 昇華配合・融合配合(特性が付く場合)
- 活力補完
- メールライン活性配合
- ボトムライン活性配合
- 血脈活性化配合
具体的な例をあげて説明します。 下画像のX(種牡馬)とY(繁殖牝馬)を配合した場合、通常は血脈活性化配合、母父◎が成立しません。
ニックスを除く配合で得られる爆発力は、ネヴァーベント、ナスルーラ、ニジンスキー、パーソロン、プリンスリーギフト、ストームキャット、ダマスカスの活力源化因子による7のみです。
以下の定番の確立・昇格をすると、親系統ノーザンダンサー系とナスルーラ系が、ニジンスキー系・ストームキャット系・ネヴァーベント系・プリンスリーギフト系に分散され、名種牡馬因子が追加されます。
- テスコボーイ系確立
- ニジンスキー系昇格
- マルゼンスキー系確立
- リヴァーマン系確立(ネヴァーベント系昇格)
- ストームバード系確立
- サクラユタカオー系確立
- ストームキャット系昇格
- サクラユタカオー産駒の系統を確立(プリンスリーギフト系昇格)
結果、血脈活性化配合8本型(8)、サクラユタカオー母父◎(4)、リヴァーマン系、マルゼンスキー系、サクラユタカオー系、テスコボーイ系、ストームバード系の追加で活力源化因子(12)、種牡馬繋養施設Lv3(3)も加えると、アウトブリードで爆発力27になります。
そして、さらにXの系統を確立します。 確立時にXがサクラユタカオー系、ストームキャット系、ダマスカス系とニックス対象になるようにします。
Xと母父◎、血脈活性化配合7本型以上が成立し、大種牡馬因子と名種牡馬因子がそれぞれ1以上ある父サクラユタカオー、父ストームキャット、父ダマスカスの繁殖牝馬を予め生産しておけば、難しくありません。 これが系統確立を活用した、ニックス操作(後付)という方法です。
結果、さらにXの活力源化因子(1)、トリプルニックス(6)が加算され、アウトブリードで爆発力34以上が確定します。 かなり極端な例ですが、爆発力10以下が30以上になるので効果は絶大です。
ウイニングポストシリーズをやり込んでいる人だと、これに完全型活力補完、昇華配合・融合配合なども成立させ、爆発力40以上にしてしまうのだと思います。
また、系統確立で活力補完も成立しやすくなります。 活力補完は完全型でないと爆発力アップしませんが、競争寿命(成長力)はアップします。 競争寿命(成長力)は非常に重要な要素です。 なので、種牡馬・繁殖牝馬の3代前の4系統に、系統を確立した馬が入る血統構成を考える事は重要です。
系統確立がメールライン活性配合、ボトムライン活性配合に与える影響については、確立から数年間「流行血統」になりやすい事、確立した系統の祖先の系統が「零細血統」になりやすい事です。
例えばテスコボーイ系、サクラユタカオー系を連続で確立すると、テスコボーイ系とプリンスリーギフト系は高い確率で零細になります。(滅亡の可能性大) これを応用すればメールライン、ボトムラインの成立条件を満たす事ができます。
昇華配合・融合配合は、新系統に「系統特性」が付く場合のみ効果を得られます。 確実にSP系統になるリアルシャダイ系、ハギノカムイオー系、スズカコバン系などがこれに該当します。
系統を確立する方法
確立したい系統に属する種牡馬を6~7年間、毎年10頭以上種付します。 そして、生産した馬を所有して強引に種牡馬・繁殖牝馬にしていけば、ほぼ確実に系統を確立できます。 なので、初年度(82年)から10年間引退しない国内種牡馬であれば、どんな系統でも確立可能です。
ウイニングポスト8 2015以降のバージョンは、海外種牡馬でも確立可能です。 ただし、この方法だと非常に効率が悪く、複数の系統を同時進行する事が難しいです。 なので、効率良く系統を確立するポイントを、以下のA~Gの項目ごとに説明します。
- 新系統になる種牡馬、その系統に属する種牡馬の種付け料を上げる。
- 所有できる場合は、新系統になる種牡馬を必ず購入する。(シンジケートは絶対に結成しない)
- 確立に関係ない種牡馬の種付け料を、できるだけ上げない。
- 確実に確立する系統を妨害しない。
- 祖父系・父系と3世代続けて確立する。
- 系統に属する繁殖牝馬を増やす。
- 短命の史実馬、史実産駒のいない史実馬は優先して所有する。
ウイニングポスト8 2018以降の系統確立
ウイニングポスト8 2018以降は、SH名鑑と新たな配合理論が追加されたため、系統確立の難易度が大きく下がりました。 確立が難しかった、ロベルト系、バックパサー系、カロ系なども、 83年からSH名鑑を使用すれば、比較的簡単に確立できます。(SH名鑑の入手方法は「ドリームマッチ攻略法」参照)
SH名鑑で生産した馬は、必ず能力因子が付くため、後継馬の生産にも役立ちます。 なので、所有可能な種牡馬で系統を確立する場合は、SH名鑑で孫の代の後継馬を生産して、それから確立を目指した方が効率的です。 以下のようにすれば、SP系統にする事もできます。
- ブライアンズタイム→マヤノトップガン系(SP系統)→マヤノトップガン×SP系統の繁殖牝馬で後継馬生産。
- トニービン→トニービン×SP系統の繁殖牝馬で後継馬生産(C)→C×SP系統の繁殖牝馬で後継馬生産。
Aは確実にSP系統になります。 Bは孫の代の後継馬が、高い確率でSP系統になります。 カンパラ系を確立せずに、トニービン系を確立する場合は、Bの方法でグレイソヴリン系を昇格させると効果的です。
確立する価値がある系統
自然確立する系統、繋ぎの系統確立を除き、以下の3つの条件を全て満たす馬でないと、その馬の系統を確立する価値は殆どないと考えて下さい。(上画像も参考にして下さい)
- 条件1
- 対象種牡馬(青枠)が能力因子を2つ持っている。
- 条件2
- 対象種牡馬の2代前にあたる4系統(赤枠)が3種類以上の親系統で構成されていて、父と母の親系統が異なる。
- 条件3
- 対象種牡馬の系統特性がSP系統で、確立後もSP系統になる。(元々系統特性が無い種牡馬は該当しません)
条件1は、繋ぎの系統確立を除き、繁殖後に母父◎が成立しない系統は、確立する価値がないと考えて下さい。 繋ぎの場合も、後々の配合を考えると、できれば1つは能力因子がほしいところです。
条件2は、血脈活性化配合の成立に影響します。 ベストは4種類です。(全て親系統が異なる状態) 確立の過程で何れかの系統が親系統に昇格し、条件を満たせる場合は該当しません。
条件3は、ミスタープロスペクター系とダンジグ系の繁栄を考えると、SP系統の価値は非常に高いです。 なので、特性を失ってしまう系統確立は、はっきり言って勿体無いです。 SPがSTに変化する場合も、ST系統で繁栄する系統が無いため、配合でのプラス要素を考えると、殆ど価値がないと思います。
ダンジグ系、ミスタープロスペクター系は、これに該当する種牡馬(ゴーンウエスト等)が多いので、後継系統は必ずSP系統になる馬を選択するべきです。
確立例
はじめて系統確立に挑戦される場合は、比較的簡単なテスコボーイ系、リヴァーマン系、マルゼンスキー系がおすすめです。 少し慣れてきたら、ヘイロー系の確立を目標にするといいでしょう。
- カラムーン系(子)
- カロ系(子)
- カンパラ系+トニービン系(親・子)
- キングマンボ系(子)
- クリス系(子)
- サクラユタカオー系(子)
- シーキングザゴールド系(子)
- シャーペンアップ系(子)
- シャーリーハイツ系(子)
- ストームバード系(子)
- デインヒル系(親・子)
- テスコボーイ系(子)
- デヴィルズバッグ系(子)
- トウショウボーイ系(子)
- ニジンスキー系(親)
- ノーザンテースト系(親・子)
- バックパサー系(子)
- ヒズマジェスティ系(子)
- フォーティナイナー系(子)
- ブライアンズタイム系(子)
- ブレイヴェストローマン系(子)
- ブラッシンググルーム系(子)
- ヘイロー系(子)
- マルゼンスキー系(子)
- リヴァーマン系(子)
- ロベルト系(子)
- その他の系統確立と親系統昇格
確立年表
白字(■)は確実に自然確立する系統、赤字(■)は親系統に昇格する系統、青字(■)は自然確立する可能性がある系統、緑字(■)はプレイヤーが干渉しないと確立できない系統となります。
- 82~90年
- ボールドルーラー系・テスコボーイ系・ミルリーフ系・ミスタープロスペクター系・シャーペンアップ系・ロベルト系・ブラッシンググルーム系・バックパサー系・カロ系・アリダー系・ファピアノ系
- 91~99年
- ダンジグ系・リヴァーマン系・ネヴァーベント系・ミスタープロスペクター系・ヌレイエフ系・ヒズマジェスティ系・トウショウボーイ系・マルゼンスキー系・ヘイロー系・シャーリーハイツ系・ノーザンテースト系・シアトルスルー系・サドラーズウェルズ系・ストームバード系・カーリアン系・シーキングザゴールド系・サクラユタカオー系・カラムーン系・カンパラ系・リアルシャダイ系・クリス系・デヴィルズバッグ系・グリーンデザート系・ラムタラ系
- 00年以降
- サンデーサイレンス系・ストームキャット系・エーピーインディ系・トニービン系・フォーティナイナー系・ゴーンウエスト系・ブライアンズタイム系・キングマンボ系・デインヒル系・ダンジグ系・サドラーズウェルズ系・サンデーサイレンス系・レッドランサム系・ストームキャット系・ダンシングブレーヴ系・モンジュー系・エーピーインディ系・デインヒル系・ガリレオ系・ディープインパクト系・キングカメハメハ系・ジャイアンツコーズウェイ系・ダンシリ系・デインヒルダンサー系・ニューアプローチ系
系統保護
プレイヤーが保護しないと、滅亡してしまう系統は多数存在します。 系統確立で親系統を増やしても、それ以上の親系統が滅亡してしまうと意味がありません。 ですが、全ての系統を保護する必要はありません。 なので、保護する価値のある系統か、見極める必要があります。
また、テスコボーイ系確立後のプリンスリーギフト系、サクラユタカオー系確立後のテスコボーイ系、シャーペンアップ系確立後のエタン系など、新たな系統の確立で滅亡する系統もあります。 3世代連続確立で、3代前の系統を親系統に昇格させたい場合、2代前~3代前の系統が滅亡してしまうと、昇格できなくなるので注意して下さい。